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整形外科

 

概念・基本方針 診療の特徴
対象疾患と診療内容 手術実績
スタッフ紹介 外来担当スケジュール
臨床・研究グループ   

 

 

人工関節センター 脊椎脊髄センター
骨・軟部腫瘍センター  

 

概念・基本方針

整形外科は、骨・関節や筋肉など体を支える部分(運動器)に生じる疾患を取り扱う診療科です。対象とする分野は、骨折や脱臼などの外傷性疾患から変形性関節症や腰部脊柱管狭窄症といった変性疾患、骨・軟骨や軟部組織に発生する腫瘍性疾患、スポーツ疾患、リウマチ疾患など多岐にわたります。外傷に関しては、救急救命センターを併設しているので3次救急の重度・多発外傷も扱っています。患者の年齢も小児から高齢者まで幅広く、昨今の高齢化社会においても、社会的ニーズが非常に高まっている診療領域になります。当科では、これらすべての領域に対応できる12名のスタッフと6名のレジデント(専攻医)で、一般整形外科から専門性の高い高度医療まですべての患者を受け入れる体制を整えており、エビデンスに基づく最先端の医療を提供しています。教育面では、技術・知識・見識を兼ね備え、患者さんにとって信頼がおける整形外科専門医の育成に努め、専攻医以外にも常時数名の初期研修医がローテートし、スタッフによる指導の下で臨床研修を行っています。

 

独立行政法人国立病院機構東京医療センター整形外科地域連携専門研修プログラムについては、こちらをご覧ください。

  

紹介患者さん御自身による初診診察予約及び

診療情報提供書(紹介状)等の事前受付をおこなっております。

詳細については下記のページをご覧ください。

紹介元医療機関さまはこちらから

患者さんはこちらから

 

診療の特徴

外来診療について:初診患者は目黒区、世田谷区地域の病院や整形外科開業医からの紹介が多く、2014年は救急外傷患者を含めて4800人もの初診患者の診療を行いました。当科には10名の日本整形外科学会専門医が在籍しているだけでなく、日本手外科学会専門医、日本脊椎脊髄病学会認定指導医、日本リウマチ学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医が在籍しており、運動器疾患を適切に診断し治療に導きます。2017年から日本手外科学会認定研修施設に認定され、上肢に関する外傷や様々な疾患の診療を行っています。また、スポーツ整形にも力を入れており、特に前十字靭帯損傷や半月板損傷などスポーツ疾患には、その専門医が診療にあたっています。さらに東京医療センターには、人工関節センターや脊椎脊髄病センター、骨・軟部腫瘍センターを併設しており、高度な専門性を要する疾患に対しても多くの診療実績があります。また、2017年6月から骨転移外来が設置され、がん診療拠点病院として、院内当該診療科における骨転移患者の診療にもあたっています。

入院診療について:2階B病棟を中心に、5階B病棟、9階特別室など常時約55床の病床か稼働して、手術患者に対応しています。

手術実績について:月曜日から金曜日まで連日手術を行っており、運動器に発生するすべての疾患に対する手術実績があります。各分野の専門医が指導医・執刀医として手術を行うことにより医療の質を担保しています。患者の高齢化により、様々な併存疾患を抱えた患者も多く、総合病院の強みを生かし内科など関連科と密に連携し、安全に手術ができるように周術期への対応を行っています。

 

対象疾患と診療内容

●関節疾患    人工関節センター

 股関節:変形性股関節症、臼蓋形成不全、大腿骨頭壊死症、

     急速破壊型股関節症、リウマチ性関節症など

 膝関節:変形性膝関節症、関節リウマチ、前十字靭帯損傷、半月板損傷など

 

●脊椎脊髄疾患  脊椎脊髄センター

 首、腰の痛み、手足の疼痛やしびれ、麻痺、歩行障害などの診療。

 頚椎・腰椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症、

 脊椎脊髄外傷(腰椎圧迫骨折含む)、側弯症など

 

骨・軟部腫瘍  骨・軟部腫瘍センター

 良〜悪性の骨・軟部腫瘍

 

●手の外科

 TFCC損傷、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)などに対する関節鏡手術、手根管症候群、

 ばね指・腱鞘炎、ドケルバン腱鞘炎、母指CM関節症、キーンベック病、橈骨遠位端骨折、

 舟状骨骨折・偽関節、屈筋腱・伸筋腱損傷、脱臼・靭帯損傷など

 

●肩関節疾患

 肩関節周囲の外傷、反復性肩関節脱臼、腱板損傷・腱板断裂腱板疎部損傷

 上腕二頭筋長頭腱損傷肩のスポーツ障害

 

●スポーツ障害・外傷

 TFCC損傷、テニス肘、肘内側側副靭帯損傷、膝前十字靭帯損傷、膝半月板損傷など

 

●足の外科

 外反母趾

 

 

手術実績(2016年)

各分野別の手術実績

  脊椎 上肢 下肢 腫瘍 その他
件数 209 284 478 55 222 1248

 

人工関節センターにおける手術内訳(2016)

  人工股関節置換術 人工膝関節置換術
件数 208 65

 

脊椎脊髄病センターにおける手術内訳(2016)

部位 頸椎 腰椎 その他
手術 椎弓形式術 脊椎固定術

椎間板切除術・

椎弓切除術

脊椎固定術 経皮的椎体形式術  
件数 19 16 63 86 10 15

  

スタッフ紹介(平成31年4月現在)

氏名 職名 専門医等 専門領域
森岡 秀夫

医長

日本整形外科学会専門医

日本整形外科学会認定骨軟部腫瘍医

日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

日本整形外科学会認定リウマチ医

日本リウマチ学会専門医

日本がん治療認定医機構認定医

骨・軟部腫瘍

骨転移

辻 崇 医長

日本整形外科学会専門医

日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

日本脊椎脊髄病学会認定指導医

脊椎脊髄疾患

藤田 貴也 医長

日本整形外科学会専門医

日本整形外科学会認定リウマチ医

日本整形外科学会認定リハビリテーション医

股関節

人工関節手術

骨粗鬆症

加藤 雅敬 医員

日本整形外科学会専門医

日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

日本整形外科学会認定リハビリテーション医

日本脊椎脊髄病学会認定指導医

日本スポーツ協会公認スポーツドクター

脊椎脊髄疾患

骨粗鬆症

吉山 晶 医員

日本整形外科学会専門医

日本整形外科学会認定骨軟部腫瘍医

日本整形外科学会認定リハビリテーション医

日本がん治療認定医機構認定医

骨・軟部腫瘍

骨転移

緩和ケア

鎌田 雄策

医員

日本整形外科学会専門医

手外科専門医

日本スポーツ協会公認スポーツドクター

日本整形外科学会認定リウマチ医

日本整形外科学会認定スポーツ医

日本整形外科学会認定リハビリテーション医

手・肘の外科

四肢外傷

田島 秀之 医員

日本整形外科学会専門医

日本脊椎脊髄病学会認定指導医

脊椎脊髄疾患

金田 和也 医員 日本整形外科学会専門医

膝関節

人工関節手術

清田 康弘 医員 日本整形外科学会専門医

手・肘の外科

外傷

亀田 隆太 医員 日本整形外科学会専門医

股関節

人工関節手術

立之 芳裕 医員 日本整形外科学会会員

股関節

人工関節手術

古旗 了伍 医員 日本整形外科学会会員

肩関節・上肢一般

外傷

河野 亜紀 レジデント 日本整形外科学会会員

整形外科一般

林 哲平 レジデント 日本整形外科学会会員

整形外科一般

池田 大樹 レジデント 日本整形外科学会会員 整形外科一般
武川 千甫子 レジデント 日本整形外科学会会員  整形外科一般 
大熊 謙太郎 レジデント   整形外科一般
西村 太一 レジデント   整形外科一般

 

外来診療担当医表

整形外科 外来棟2階

 

臨床・研究グループ

上肢班(鎌田雄策、清田康弘、古旗了伍)

手および手関節、肘関節、肩関節の外傷、変性疾患、末梢神経障害、スポーツ外傷・障害などを対象として臨床と研究を行っています。当院は日本手外科学会認定研修施設であり、手外科疾患に対する診療実績は豊富です。経験豊富な指導医の下で、手外科のサブスペシャルティ研修を行い、日本手外科学会専門医を目指す方も大歓迎です。

 

下肢グループ(藤田貴也(股)、金田和也(膝)、亀田隆太(股)、立之芳裕(股))

主に股関節、膝関節に発生した、変性疾患、外傷、スポーツ外傷・障害に関する診療と研究を行っています。スポーツや交通事故などに関連した膝関節靭帯損傷に対する靭帯再建術も積極的に行っています。また、人工股関節手術件数はわが国有数です。経験豊富な指導医の下で人工股関節に関する研修を受けたい方も大歓迎です。

 

脊椎・脊髄グループ(辻崇、加藤雅敬、田島秀之)

腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊椎・脊髄腫瘍など多岐にわたる、脊椎・脊髄疾患を対象として診療と研究を行っています。また、当院には救命救急センターが併設されており、脊椎・脊髄に対する高度外傷にも対応しています。日本脊椎脊髄病学会の研修施設にも認定されており、サブスペシャルティとして日本脊椎脊髄病学会認定指導医を目指す研修希望の方も大歓迎です。

 

腫瘍グループ(森岡 秀夫、吉山 晶)

骨・軟部腫瘍に関する診療と研究を行っています。骨・軟部腫瘍の診断・治療は難しく、整形外科疾患の中で最も専門性が要求される分野といえます。診療には、経験豊富な日本整形外科学会整形外科専門医、日本がん治療認定医機構認定医が当たり、類骨骨腫に対するCTガイド下治療などの低侵襲手術を行っています。集約化が進む骨・軟部腫瘍専門施設として遠方からも多くの患者が紹介されています。

 

外傷クラスター

当院には救急救命センターを併設しており、2次から3次救急までの豊富な外傷症例があります。手、肘、肩などの上肢の外傷や大腿、下腿、足関節などの下肢の外傷に加えて骨盤・脊椎骨折を含む多発外傷の患者さんも搬送されます。このような患者さんに対して、当科では受傷当日の緊急手術あるいは可及的早期に手術を行うことができる病院環境設備と上肢・下肢・脊椎の専門医による高度な外傷治療を実現しています。

 

スポーツ整形外科クラスター

スポーツ選手やスポーツ愛好家の外傷・障害は多岐にわたります。したがって、その診断と治療(リハビリテーションを含む)は、その部位の専門性を必要とします。当院は、日本体育協会公認スポーツドクターの資格を有する脊椎・上肢・下肢の専門医が所属しており、保存療法から外科的治療まで幅広い診療を行っています。膝関節靭帯損傷に対する再建術、骨軟骨損傷に対する骨軟骨移植などの手術実績も多く、各分野の専門医が治療にあたります。

 

人工関節センター

2013年10月開設。股関節および膝関節疾患の人工関節手術に関する専門部門になります。各々の専門医が診療にあたり、特に人工股関節手術はわが国有数の手術件数を誇り、人工関節センターを開設以来、人工股関節置換術の症例数は右肩上がりに増えております。2016年4月1日〜2017年3月31日までの初回人工股関節置換術(THA)人工股関節再置換術(Revision THA)を合わせて計208件を施行しました。目黒区・世田谷区だけでなく、秋田・静岡・山梨・千葉・茨城・埼玉など遠方からの紹介患者も多数引き受けています。2017年4月以降の手術件数も前年度以上のペースで行っています。ほとんどの症例で手術アプローチは筋腱を温存した最小侵襲手技によって行い、再置換術など限られた症例のみで後方アプローチを行っています.この最小侵襲手技による方法は筋腱を傷めないことにより、術後疼痛の軽減、歩行能力の改善が早く、術中出血量も少ないというメリットがあります。トラネキサム酸の術直前および閉創前局所投与によって自己血貯血もドレーン留置も当院では行っていません。両側同時人工股関節置換術も積極的に行っています。人工膝関節置換術に関しても、地域の医療連携施設から多くの紹介患者があり手術件数は増加の一途にあります。2016年は65件行いました。詳細については、こちらをご覧ください。

 

脊椎脊髄センター

2015年4月開設。高齢化社会を迎え、増加の一途をたどる脊椎・脊髄疾患に関して、日本脊椎脊髄病学会認定指導医が診療にあたる専門部門になります。当センターは日本脊椎脊髄病学会認定指導医が完全予約制で外来を行っています。専門医による最適な治療を提供できることを目的として開設しました。最先端で低侵襲の手術法を導入して早期社会復帰を目指し、患者さんの状態に合わせた手術法を提示するオーダーメードの脊椎手術治療を行うことをポリシーとしています。脊椎脊髄疾患による症状を改善し、速やかに社会復帰できるようスタッフ一同努力しています。尚、当センターを受診していただくには診察日の予約と医療機関からの紹介状が必要です。その理由は症状やその経緯についてじっくりお話をお聞きさせていただきたいということと、当センターで実施できる治療は比較的侵襲の高い治療(入院してのブロック注射や手術)に限られているということです。すなわち物理療法や薬物療法、簡単なブロック療法などは、近隣の整形外科開業医院で行っていただき、これらの治療が無効にであった場合に、最後の砦として患者さんの症状を外科的治療などで解決する機関として位置づけられています。お問い合わせに関しては当院整形外科外来へ直接お電話をください。詳細については、こちらをご覧ください。

 

骨・軟部腫瘍センター

2017年10月開設。骨・軟部腫瘍は、四肢、体幹、脊椎、骨盤の骨や筋肉、皮下組織、末梢神経などにできる腫瘍のことを言います。骨に発生した腫瘍は骨腫瘍、筋、皮下、末梢神経などの軟部組織に発生した腫瘍は軟部腫瘍と総称します。そして総称とは、骨腫瘍と軟部腫瘍には非常に多くの種類があるため、これらの腫瘍の集まりということを意味します。大きく分けると、骨や軟部組織から直接発生したものを原発性といい、原発性の骨・軟部腫瘍には、それぞれに良性腫瘍と悪性腫瘍があります。またこれとは別に、体の他の部位に「がん」などの病気があって、血液やリンパ液をめぐって移動してきたものを転移性といい、骨に移ってきた場合は骨転移と言います。骨転移に関しては、当院での治療患者を対象とした骨転移外来、骨転移カンファレンスを行い、骨転移診療に取り組んでいます。一方、原発性の骨・軟部腫瘍は非常に種類が多く、また発生する部位も多岐にわたるため、診断・治療ともに高い専門性が要求されます。当センターでは、骨・軟部腫瘍専門医2名が診療にあたり、診断においては放射線診断医、病理医と連携し、キャンサーボードを開くなど、診断困難例にも対応しています。また、診療連携施設として国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人成育医療研究センター、慶應義塾大学病院があり、これらの機関と連携し高度医療の実践を行っています。詳細については、こちらをご覧ください。

 

週間予定表

 
  外傷カンファレンス 総回診 レクチャー  

外来診療
手術
外来診療
手術
外来診療
手術
外来診療
手術
外来診療
手術

脊椎脊髄センター

手術

手術

骨軟部腫瘍センター

骨転移外来

手術

人工関節外来

手術

手術
 

脊椎カンファレンス

股関節カンファレンス

抄読会

全体カンファレンス

   

 

疾患の説明

関節疾患

股関節疾患の治療についてはこちらをご参照ください。

ラピットリカバリープログラムについてはこちらをご参照ください。

 

脊椎脊髄疾患

脊椎脊髄疾患の症状には、頚椎からのものと腰椎からのものが多いです。

頚椎からの症状

頚椎からは、脊髄症状としての巧緻運動障害(箸が上手く使えない)、痙性歩行(歩きにくい)、膀胱直腸障害(尿の出が悪い)、腕〜手の痛みやしびれなどがあります。

 

腰椎からの症状

腰椎からは、腰背部痛、坐骨神経痛や足のしびれ、膀胱直腸障害などがあります。他にも脊柱管狭窄症に特徴的な間欠性跛行(歩くと足の痛み、しびれ、脱力が出現して、休むとそれらの症状が軽くなる)があります。これらの症状は整形外科以外の疾患でも出現する可能性があるため、ますは脊椎脊髄専門医の診察を受けて診断をつけることが重要です。

 

脊椎疾患の治療法

多くの場合は手術をしない方法(保存的療法)が一般的に行われ、まずは消炎鎮痛剤、湿布剤、コルセット、理学・物理療法などを行います。これらの治療は主に近隣の整形外科クリニックで行っていただき、効果の得られない場合には当院で神経ブロックや手術療法を行います。当院では昨年1年間に約200例近くの脊椎脊髄手術を行い、多くの方が痛みから解放され満足されています。 しかし手術で全ての症状が改善するわけではありません。治療を受けるに当たっては、担当医から納得できるまで手術や合併症に関する説明を聞くことが大切です。

 

次に代表的な疾患の説明を以下に致します〃枋如腰椎椎間板ヘルニア

椎間板組織が脊柱管内に突出して、脊髄や神経根を圧迫することで症状が出現したものです。神経根ブロックなどで改善しない場合には手術を行います。手術には手術創をなるべく小さくした拡大鏡下椎間板ヘルニア摘出術や、前方固定術を行います。症例によっては内視鏡を用いたヘルニア切除術も行っています。

 

   

 

頚椎症性脊髄症

加齢変化による骨棘の形成、靭帯の肥厚、椎間板膨隆などが起こり、脊柱管の狭窄をきたして脊髄症状が出現したものです。手術には片開き式椎弓形成術や、症例に応じてより低侵襲な skip laminectomy を行っております。

 

   

 

9部脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管が加齢変化によって狭くなり、馬尾あるいは神経根が圧迫されることによって足の痛みやしびれ、間欠性跛行などが出現します。手術には筋肉へのダメージを減らした棘突起縦割式椎弓切除術や、脊椎後方椎体間固定術を行っています。症例に応じてより低侵襲な経皮的椎弓根スクリューを用いた固定術(MIS-TLIF)を行っています。

 

   

 

だ堋農埒餝綾

ほとんどが骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折であることが多いですが、稀に交通事故や転落による脊椎破裂骨折や骨髄損傷などもあります。保存的治療で痛みが改善されない場合は、人工骨あるいはバルーンを用いた椎体形成術(BKP)や脊椎後方固定術などを行います。当院では皮膚や筋肉をあまり切らない低侵襲手術を症例に応じて行っているので、早期退院につながることが多いです。

 

 

手の外科
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

テニス愛好家に多く発症しますが、テニスとは必ずしも関係なく、手首や前腕の筋肉を繰り返し使う作業、日常生活動作で発症するケースも多くあります。テニスで発症する場合は、初心者、女性、中高年に多く、日常生活の中で発症する場合は30-50歳代に好発します。肘に負担がかかるスポーツや仕事、生活習慣などによる疲労の蓄積が引き金になることが多いようです。また、更年期や加齢によって肘関節外側の伸筋腱(手や指を伸ばす筋肉、腱)付着部が変性(加齢などによる衰え)も一因と考えられています。

症状は、肘関節の外側から前腕にかけて痛みで、ドアのノブを捻る、回内位(手・前腕を内側に捻ったポジション)で物を持ち上げる、タオルを絞る、などの動作で痛みを生じます。X線では異常はみられないことが多く、腱の炎症、関節内病変を見るためMRI検査などを行います。

治療としてはまず原因となっている筋肉の負担を減らすことが重要で、ストレッチの指導やテニス肘用バンドの装着を行います。上記の治療を行っても半年以上症状が改善せず、痛みや日常動作での不自由が高度な場合、手術を行います。当院では関節鏡を用いた小侵襲手術を行っています。

 

三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷

手関節の尺側(小指側)の痛み・引っかかり感が主な症状で、スポーツ・転倒時の捻挫や手関節の酷使で生じる靭帯・軟骨損傷が原因です。症状としては手関節尺側部の安静時痛、運動痛、前腕をひねった時の痛みが中心です。特にタオル絞り、ドアノブの開け閉めなどの手関節のひねり操作の際に疼痛を訴えることが多く、重度になってくると人にものを渡す際や動作を開始する際などに手が抜ける感じを呈します。X線では異常を認めないので、造影検査や MRI撮影が診断には必要となり、詳細な診断には手関節鏡が有効です。治療には安静、消炎鎮痛剤投与、サポーター固定、ギプス固定などの保存療法と、関節鏡を用いた手術療法があります。安静・固定などの治療でも3か月以上症状が取れないときには手術が必要となります。手術療法には尺骨短縮骨切り術、鏡視下TFCC縫合術、鏡視下TFCC部分切除術、TFCC再建術などがありますが、尺骨の形状や内視鏡所見をもとに最適な方法を選択しています。非常に治りにくい損傷でありますが、早期に元のスポーツや仕事に復帰できるように工夫して治療しております。

 

手根管症候群

手掌の中央で神経が圧迫されて生じる疾患で、中年以降の女性の方に多く見られます。親指・人差し指・中指にしびれ、痛みが出て、特に明け方に強く生じて手を振ることで楽になる方も多いようです。進行してくると親指の付け根の筋肉がやせてきて、つまみ動作や細かい作業がしづらくなります。まずは手関節の固定や内服薬などで様子をみますが、日常の作業に支障がある場合は神経を圧迫している靭帯を切り開く手術が必要です。内視鏡下手根管開放術や直視下手根管開放術がその方法ですが、当院では日帰りでの小切開での手術を行っており、早期回復に努めております。

 

ばね指

指を曲げる腱が、腱鞘と呼ばれるトンネルをスムースに通過することができなくなり起きる腱鞘炎をいいます。指を曲げた後にまっすぐ伸ばそうとすると何かに引っかかった感覚を感じ、無理に伸ばそうとするとバネの反発があるかのように不自然な動きをします。単純作業が多く、主に手を使い過ぎる人に発症がみられます。初期には患部を安静にし、症状に応じて外用薬、腱鞘内ステロイド注射などを行います。これらの保存的療法で改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘を開く手術を行います。

 

ドケルバン腱鞘炎

母指を動かそうとすると、手首の母指側に痛みを感じます。テニスなど手首をよく使うスポーツをする人や授乳中の方、楽器を弾く人などに発症がみられます。初期には装具などで安静にし、症状に応じて外用薬、腱鞘内ステロイド注射などを行います。保存的療法で改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘を開く手術を行います。

 

母指CM関節症

物をつまむ・ふたを開ける時などに親指の付け根に痛みを感じ、進行してくると関節がずれて外からも変形がわかるようになります。使いすぎ・老化・けがなどで親指の付け根の関節が変形して起こる病気で、通常は年輩の女性に多くみられます。初期には装具による固定・注射を行います。それらの治療でも症状が取れないときは手術が必要となることもあり、関節固定術、関節形成術などを行います。

 

キーンベック病

手を使った後に手関節の痛みと腫れがみられ、徐々に握力が低下し動きが悪くなる病気です。原因は不明ですが、月状骨という骨がつぶれてくる病気で、職業的に手をよく使う青壮年の男性に多く見られます。初期のうちは安静を中心とした治療を行い、症状が取れない場合や進行する場合には橈骨短縮術、腱球移植術、骨釘移植術、血管柄付骨移植術などを行います。

 

槌指・マレット指

突き指をした場合、一番指先の関節(DIP関節、いわゆる"第1関節")を損傷することがあります。特に、DIP関節が曲がってしまって伸びない場合、伸筋腱という指を伸ばす腱が断裂する場合と剥離骨折する場合があります。前者を腱性槌指あるいは腱性マレットと呼び、後者を骨性槌指あるいは骨性マレットと呼びます。腱性槌指の場合には装具やシーネを用いた固定による保存療法をおこない、必要に応じて鋼線による指を伸展した位置での固定や腱を縫合します。骨性槌指の場合には剥離骨片をワイヤーやスクリューで固定する手術を行います。

 

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は上肢の骨折中、もっとも頻度の高い骨折で、約半数で尺骨遠位部の骨折を伴います。診断は単純X線を撮影することで行います。関節内骨折や粉砕骨折ではCTを必要とすることがあります。靭帯損傷などをみるためMRIを行うこともあります。

治療はずれている骨折を元の状態に戻す整復という操作を試み、そのあとギプスで固定します。十分な整復が得られない場合には、鋼線による固定、プレートによる固定、創外固定などを用いた手術療法をおこないます。ずれたまま放置すると、変形して癒合することで痛みを残すことも多いため、当院では積極的に関節鏡も用いた手術を行っています。

 

舟状骨骨折・偽関節

8個ある手根骨の中で最も骨折の頻度が多いのが舟状骨です。スポーツ外傷や交通事故で手をついて受傷することが多いですが、パンチ動作での発生も報告されています。受傷直後の痛みは比較的軽度で、捻挫と勘違いされる方もいます。また受傷直後にはX線で骨折が明らかでない場合もあります。身体所見から骨折が疑わしい場合にはギプス固定した上で2〜4週後に再度レントゲンを撮ったり、早期にMRIやCTを撮影して診断します。舟状骨骨折の特徴として、折れる部位によって骨癒合が得られにくいことが挙げられます。骨折部が前腕に近くなると骨癒合率は低下します。これは舟状骨への血流は骨の指先側から入ってくるからです。

骨折のずれが小さい場合は、ギプスによる固定をおこないます。結節部での骨折を除くと6〜12週の比較的長期の固定が必要です。転位が大きい場合や、早期社会復帰を必要とする場合にはスクリューを挿入する手術を積極的に行っています。日帰り手術も可能であり、特殊なスクリューを用いて骨折を固定することにより、術後のギプスを必要としない場合がほとんどです。抜糸まで最短で1週間としており、早期診断、早期治療で良好な成績を得られます。骨癒合せずに偽関節となった場合には、骨盤の骨を採ってきて移植する骨移植手術を行いますが、骨壊死を生じた場合には血管が付いたままの骨を移植することがあります。

 

PIP関節脱臼骨折

指先から数えて2番目の関節(いわゆる"第2関節")が脱臼することをPIP関節脱臼といい、しばしば骨折を伴う脱臼骨折となります。これは、突き指をした場合や関節が本来動く範囲を超えて強制的に動かされた場合に生じます。診断は単純X線を撮影することでおこないます。関節面が落ち込む陥没骨折の評価にはCTを必要とすることがあります。

関節が安定していればシーネなどで固定して治療します。関節が不安定だったり、関節面40%以上の転位を伴う場合には手術をおこないます。手術では、断裂した靱帯の縫合、骨髄内からの陥没骨片の整復、ピンを用いた骨折の安定化などをおこないます。必要に応じて創外固定器という持続牽引装置を用いることもあります。変形した状態で癒合した場合には良好な機能は期待できないため、再建手術を要します。この場合、矯正骨切り手術や、肋骨肋軟骨を移植して関節を再建する手術をおこないますが、場合によっては人工関節置換術や関節固定術などを選択することもあります。

 

母指MP関節尺側側副靭帯損傷

母指MP関節尺側側副靭帯の断裂は、良く損傷が見られるスポーツからスキーヤーズサムなどと呼ばれることもあります。母指先端を引っ掛けて受傷することが多く、新鮮例では母指MP関節の疼痛と腫脹を、陳旧例では示指とのつまみ操作や物をつかむ際に母指が抜ける感じを訴えます。

新鮮例であればギプスなどでの保存療法が選択することが多いのですが、不安定性が大きい場合には靭帯が翻転してしまうことがあり、手術治療を必要とします。手術では新鮮例では靭帯を縫合します。陳旧例では断裂して退縮した靭帯を伸ばして縫合したり、長掌筋腱を用いて靭帯自体を作り直す再建術を行います。

 

小指PIP関節橈側側副靭帯損傷

小指を引っ掛けて受傷する例が多い外傷です。環指とテーピングを行う保存療法が選択される例が多いのですが、実際にはしだいに小指PIP関節が尺側に転位するため手術を必要とする例が多くあります。新鮮例では靭帯縫合術を、陳旧例で縫合不可能な場合には長掌筋腱を用いて再建手術を行います。

 

 

肩関節疾患

(1)肩関節外傷(鎖骨骨折,肩鎖関節脱臼,上腕骨近位端骨折,反復性肩関節脱臼など)

早期社会復帰を目的として、積極的に手術治療を行っています。

 

 ★鎖骨遠位端骨折(観血的整復固定術)
     
 ★肩鎖関節脱臼(烏口鎖骨靭帯再建術)
     
 ★上腕骨近位端(脱臼)骨折
     

 

(2) 肩関節の痛みと運動制限という共通した臨床像を呈する疾患(肩関節周囲炎,いわゆる五十肩,腱板断裂,肩峰下インピンジメント症候群など)

五十肩と診断され2〜3ヵ月間治療を続けていても、治療効果がなく肩の痛みや動きが悪くなってくることがあります。このような時、五十肩でなく腱板断裂や肩峰下インピンジメントが原因であることがあります。肩の動きが悪くなり固まってしまう(拘縮)と、元の動きを獲得するための治療に難渋することとなるので、肩関節専門医*を受診することを勧めます。

*肩関節専門医の制度はありません。肩関節治療の経験が豊富な医師を   ホームページなどで探して受診してください。

 

★腱板断裂(腱板修復術)
     
鑷子で断裂腱板を把持している   断裂部を修復(糸付きアンカー使用)
     
術前MRI検査(腱板断裂+)   術後単純X線像

 

足の外科
外反母趾

 外反母趾とは、母趾の付け根が内側に突出し(bunion)、母趾の先が外側を向く変形をきたす疾患です。ハイヒールを履く女性に多く、女性・遺伝・ハイヒールが三大原因といわれています。症状として、母趾の付け根が内側に突出し、靴で圧迫されることにより疼痛が出現します。進行すると、母趾が第2趾の下(底側)に入り込み、第2・第3趾が上(背側)にはね上がり、第2・第3趾の付け根の底側に痛みを伴う胼胝(べんち・たこ)ができることもあります。

 治療としては、まず生活や靴の指導、運動療法(筋力トレーニングとストレッチング)、装具療法(足のアーチを保つための足底装具)を中心とした保存療法をおこないます。保存療法で症状が改善しない場合、手術を考慮します。手術は外反母趾の状態・程度などにより最適な矯正骨切り術を選択して行います。最近は、慶應義塾大学病院で行われて広まりつつある、日帰りも可能DLMO(遠位直線状中足骨骨切り術)法という手術方法も行っています。局所麻酔で約1.5cm程度の皮膚切開にて20分程度の短時間でできる手術です。もちろん、全身麻酔でも対応できます。詳しくは整形外科外来へお問い合わせ下さい。

 

 

過去の業績

最近の論文・学会発表などについては、こちらをご覧ください。ただし個人情報に関わる可能性がありますので、タイトルを省略してあります。 治験・研究については本ホームページの文頭でリンクして下さい。

 

 

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