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第22回 平成22年7月22日(木) 一般来場者数 115名

第22回 市民公開講座 講演概要

知っておこう 水虫の予防と治療

 

 水虫は白癬菌(皮膚糸状菌)というカビの感染症です。主に足白癬が知られますが、今回注目して頂きたいのは、爪です。爪白癬は足白癬がしばらく続くと生じると考えられており、足白癬を毎年繰り返す患者さんなどでは合併することが多い病気です。皮膚に感染して爪に感染する、また爪から皮膚に感染するというサイクルが想定されていますので、爪をしっかり完治すれば、繰り返す足白癬を阻止できます。つまり爪白癬をしっかり治療し治すことが、足白癬を完治することにつながります。ただし、完治しても予防の継続は重要です。原因菌である白癬菌は主に3つのグループに分けて考えることが出来ます。ヒト好性菌、動物好性菌、土壌好性菌です。白癬菌はケラチンというタンパク質を好み、このケラチンが豊富な、皮膚の角層、爪や毛に感染します。爪白癬の原因菌はヒト好性菌の代表であるTrichophyton rubrumが8割以上を占めます。この白癬菌はヒトの免疫から上手に逃れてなるべく長く宿主であるヒトに定住するために進化してきたと考えられ、爪に感染することで皮膚よりも長く宿主に定住します。逆に動物好性菌、土壌好性菌がヒトに感染すると激しい炎症症状を伴うことが多く、爪に感染することはまれです。白癬菌は土壌や落ちている毛、垢、爪などに多いことから、予防には拭き掃除やバスマットの洗濯が有効です。カビは湿気が大好きですので乾燥した環境を保つことも大切です。足をゴシゴシと洗いすぎる患者さんがいますが、これは皮膚の角層という一番表面の部分を傷つけることになり、かえって白癬菌が感染しやすくなりますので止めましょう。また現在爪白癬の治療の中心は、外用剤が爪の中や爪の下に届きにくいという理由から、抗真菌剤の内服です。しかし高齢となると爪の発育速度が低下するため年齢に比例して罹患率が高いことから、高齢化社会を迎える今後さらに、内服よりも副作用が少ない貼付剤(爪に貼るテープ剤)の開発に需要があり、今回当院で行っている貼付剤の治験についての説明を行いました。健康な皮膚と共に健やかな毎日を過ごしていただけるために、少しでもお手伝いできればと考えております。

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