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第13回 平成19年3月28日(水) 一般来場者数160名

第13回 市民公開講座 講演概要

動脈硬化予防によい食べ物とくすり

 

 3月28日に開催された市民公開講座には多くの方に参加いただき、食事に対する関心の高さを実感しました。近年、健康と食品についての番組が多く放送されていますが、医学の分野できちんと健康によいと証明されている食品はその一部に過ぎないのが現状です。今回の講演では医学的に動脈硬化によいと報告されている食品は何かをお伝えしたいと思いました(表1)。

 

表1

 

 


 

 まず動脈硬化の程度を知るにはどの検査がよいでしょうか。近年血圧脈波速度検査(PWV)がよく用いられます。簡便かつ"あなたの血管年齢は?歳"と記載される興味深い検査ですが、動脈硬化の程度を強くは反映しないことが指摘されています。より動脈硬化の程度を知るには頸動脈エコーが有用で、心筋梗塞など動脈硬化性疾患の方では頸動脈にプラークと呼ばれる動脈硬化性病変を多く認めることが報告されています。頭部MRI検査も"かくれ脳梗塞"と呼ばれる小さな脳梗塞の有無をチェックするのに脳ドックでよく用いられます。しかし1つの検査で動脈硬化の程度を評価するには限界があり、血圧脈波速度と頸動脈エコーさらに頭部MRIというように、いくつかの検査を同時に行うことでより正確な評価が可能になると考えます。

 動脈硬化の予防には食べ過ぎに気を付け、多くの種類の食品をバランスよく食べるのがよいとされます。しかし動脈硬化によい食品として医学的に証明されている食品は何でしょうか?ω-3不飽和脂肪酸を多く含む魚(特に青魚)の摂取は心筋梗塞の危険性を減少させることが国内外で報告され、米国の学会も週2回は魚を食べるように推奨しています(表2)。エビやカニはコレステロールを上げると信じられていましたが間違いで、むしろカロテノイドという動脈硬化によい成分を多く含みます。最近マーガリンやフライドチキン、フライドポテトなどに使用されるトランス脂肪酸が心筋梗塞の危険を増大させることが報告され、マーガリンやファーストフードの摂取には気を付ける必要があります。以前から動脈硬化によいとされるイソフラボンを多く含む大豆製品は日本人ではむしろ摂り過ぎに注意で、閉経前女性では子宮内膜症の危険が高まります(表3)。ほうれん草やブロッコリーといった緑黄色野菜はカロテノイド、果物はビタミンC,Eを多く含み、ともに動脈硬化によいことが知られますが、サプリメントではよい結果が得られない点は要注意です(表4)。動脈硬化によい嗜好品では赤ワインが有名でその抗酸化作用は証明されていますが、日本食にはやはり緑茶が一番で、中国茶より緑茶が強い抗酸化作用のために動脈硬化によいことが報告されています。内服薬としては高脂血症治療薬スタチンの有効性が心筋梗塞の一次・二次予防ともに確立されています。昨年日本人でも心筋梗塞の一次予防としてスタチンの有効性が発表され、食事療法でもコレステロールが高い場合にはスタチンの服用が奨められます。

 なお、動脈硬化の予防についてご質問がありましたら循環器外来担当の樅山幸彦までお問い合わせ下さい。

 

 

 

表2

 

 

 

 

表3

 

 

 

 

 

 

表4

 

 

 

 

 

 

 

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