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第7回 平成16年7月6日(火) 一般来場者数 435名

第7回 市民公開講座 講演概要

背骨と関節のしくみと病気について

 

 整形外科外来にみえる多くの患者さんの大部分は何らかの痛みを主な症状としていらっしゃいます。中でも腰と膝の痛みはは最も多くの方を悩ませている問題といえます。今日は主に高齢者の腰や膝の病気のお話しをします。

 まず、腰痛の話をいたします。一度でも腰痛を経験したことがある人は、20歳でも50%くらいあり、50歳で70%になるというデータがあります。ヒトは二本のあしで立って歩くことが出来る代わりに、腰に大きな負担を受けることになって腰痛という宿命を背負ったとも言えます。腰の構造を見ると、背骨(脊椎)と上下の背骨をつなぐ椎間板や関節、靱帯があり、背骨の中には神経が入った管(脊柱管)があります。それらを筋肉が支えています。

 若い方にも腰痛は極めてありふれた症状ですが、年齢が進むと椎間板や関節が長年の負担によって変化してきたり、筋力が弱くなってからだを支える働きが足りなくなって腰痛を起こしやすくなってきます。例えば椎間板では水分が少なくなる、弾力性がなくなってくるなどの変化が見られます。このような年齢にともなう変化は白髪になるとか老眼になるといったことと同様加齢変化といって、完全に避けるということは不可能です。

 腰痛の原因はさまざまです。内臓の病気に関連した腰痛もありますし、なかには癌の転移や脊椎の感染症(化膿性脊椎炎など)だった人もいますが、命に関わったり、手術を要する人がさほど多いわけではありません。日常多いものをいくつかお話します。

 椎間板ヘルニアは椎間板の中心にある部分(髄核)が後ろに飛び出して神経に刺激を加えて腰痛のみでなく脚の痛みが起こるものです。十代以降のどんな年齢にもあります。手術なしで治る人が多いのですが、なかには手術が必要な方もあります。

 次にぎっくり腰ですが、これは病気の名前というより、何かの動作のときに急に痛みを生じたものを総称して言います。なかには椎間板ヘルニアの始まりの症状だったという人もいますが、多くは数日で治ります。湿布や飲み薬、時には注射も行うことがあります。姿勢や重いものを持ち上げるときの注意など予防が大事です。

 高齢者に多いのは、腰部脊柱管狭窄症といって神経の通っている管が狭くなり、脚の痛みやしびれ、歩ける距離が短くなるといった症状を出すものです。これも薬、注射、コルセットといった治療と症状の重い方には手術があります。

 骨粗鬆症は全身的に骨が弱くなって骨折しやすくなった状態を言います。年齢とともに増えます。骨粗鬆症自体で痛みがあるのではなく、骨折やそれに伴う変形が痛みの原因ですが、骨折しやすい状態ですから、痛みがなくても治療が必要な場合があること、骨折の予防が大事なことが特徴です。

 腰痛が続いたり、脚の痛みやしびれを伴う場合はお近くの整形外科で診察を受けてください。腰痛の原因を全て明らかには出来ませんが、病院で詳しい検査をする必要があるか、日常の生活上の注意、薬、理学療法でよいかなどの判断をして頂いてください。

 膝が痛い方はこの病院の整形外科初診患者さんの15から20%位でしょう。若い方では怪我やスポーツによる障害が多いのはもちろんです。高齢者では関節リウマチの方や時には腫瘍の方もいますが、年齢とともに関節軟骨や半月版といった関節の構造物が変化してきて関節が変化し、変形性関節症という状態になって病院に来られる方が多いのです。過去の怪我、過度の負担が影響している人もいますが、はっきりした原因が無いのに変形性膝関節症になる人も多くいます。腰と同様加齢変化を避けられないのです。診断は多くの場合診察とレントゲンで可能です。生活上の注意や適切な運動、薬、注射、装具(足や膝につける器具)などが主な治療法です。最後の手段として手術もあります。最近は膝や股関節の人工関節の長期成績が改善し、多くの場合、20年くらいの使用に耐えると考えられています。

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