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第5回 平成15年10月17日(金) 一般来場者数 167名

第5回 市民公開講座 講演概要

糖尿病は甘くない。〜油断が命とり〜

 

1.糖尿病の人口は激増しています

 我が国では、過去40年間に糖尿病患者は約50倍に増加し、2002年の厚生労働症の調査によると、糖尿病が強く疑われる人740万人、糖尿病の疑いが否定できない人840万人と推定され、5年間にそれぞれ50万人、200万人増加し、40才以上では10人に1人が糖尿病と考えられています。

 

2.糖尿病の合併症とは

 糖尿病では三大合併症と言われる網膜症、腎症、神経障害がありますが、失明は年間約4000人、新たに人工透析を受ける人が年間約1万人と、失明や透析導入の原因の第一位が糖尿病です。そのほかに虚血性心疾患や脳血管障害、閉塞性動脈硬化症などの大血管症と言われる動脈硬化による疾患が多いことが知られています。最近の研究では、血管の障害が糖尿病発症以前の耐糖能異常の時期より起こってくることが明らかになり、糖尿病の早期発見と早期治療がより重要になってきました。糖尿病の初期では、空腹時血糖値よりも食後血糖値の方が先に上昇しますので、食後の検査の方が早く発見されることになります。

 

3.糖尿病のタイプ

 糖尿病にはさまざまなタイプがあり、4つの大きなカテゴリーに分顛されています。?膵臓のβ細胞が破壊されインスリンが欠乏する1型糖尿病、?β細胞の機能異常に環境因子が加わって発症する2型糖尿病、?その他の特定の機序、疾患によるもの、?妊娠糖尿病です。最も一般的なタイプは2型糖尿病で約95%を占め、別名、生活習慣病とも呼ばれています。遺伝的体質に食事過多、運動不足、ストレスなど環境要因が加わって発症し、最近ではこの環境要因の悪化により糖尿病が急激に増えています。

 

4.診断はどうしますか。

糖尿病の診断は、空腹時血糖126mg以上、随時血糖200mg/dl以上、75gブドウ糖負荷試験で2時間値が200mg/dl以上などの高血糖状態が見つかったり、また過去に糖尿病と言われたことがあったり、すでに糖尿病による特有な合併症を生じていることなどさまざまな点から診断されます。

 

5. 糖尿病は治りますか

 糖尿病は高血糖状態が継続する病気ですが、治療を行って血糖値が下がったからといって治ったわけではありません。血糖値が正常に下がっても、自己管理を怠れば再び悪化します。血糖値を糖尿病の状態にしないことをコントロールすると言います。糖尿病の治療では、高血糖による症状を短くすとともに、合併症を起こさない、進展させないことが重要なのです。そのためには、無理なく継続して長期間良好な血糖コントロールを保つことが必要です。

 

6. 糖尿病の症状は。

軽症な場合では症状がありません。高血糖になると多尿、口渇、多飲、体重減少などの症状がでますが、これを糖尿病の症状と知らないでいる人も多く、これらの症状があったら危険な状態です。放置すればどんどん悪化し、合併症も早期より出てきますし、さらに命も危険にさらされる状態になります。血糖値が高くなりすぎると、昏睡状態になり死亡することもあります。

 

7.糖尿病を悪いままにしておくとどうなりますか。

 治療を行い症状が消失しても、症状がないからといって安心し、その後長期間放置し、再び病院に来院する時は、網膜症や腎症、紳経症障害など合併症が進行してしまっていることが多いのです。また、壊疽、心筋梗塞、脳梗塞などで入院する人も多くいます。現在、日本では残念なことに糖尿病の治療を受けてない人が約50%もいます。途中で治療を中断してしまう人も多く、また治療を受けていてもコントロールが悪い人も多くいます。糖尿病は進行する病気です。早期発見、早期治療が大切です。適切な治療を怠ったつけは必ずやってきます。糖尿病治療で最も大切なことは自己管理と継続的な治療です。

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