HOME  >  病院をご利用の皆様へ  >  院内教室・講習会のご案内  >  市民公開講座  >  第4回 平成15年7月4日(金) 一般来場者数 175名

第4回 平成15年7月4日(金) 一般来場者数 175名

第4回 市民公開講座 講演概要

老化と目 〜老眼と白内障について〜

 

近年の医療技術の進歩は目覚しく、人間の寿命も古くは50年から、今や80年〜100年となっています。また、医療の目的も、単に寿命の延長ではなく、いかに充実した生活の質を実現するかに移行しています。その中で、感覚器、特に視覚の重要性は益々高まっています。       l

 さて、加齢と共に、体の仕組みには変化が生じてきます。不具合が生じてくることもあります。眼に関しては、元々、どうも約50年の使用を予定してつくられているように思われます。

 眼の構造は、基本的にはカメラと同じです。景色は光線として眼に入り、水晶体(レンズ)を通って眼底にピントが合うと、そこに像が映ります。眼底に映った像が神経から脳に伝えられて、「見える」わけです。近視などがない眼は、元々遠くにピントが合うようになっていますが、日常生活を快適に過ごすためには、遠くの景色から近くの書物まで、色々な距離のものを見る必要があります。若い頃は、そのピントあわせは、オート(自動)で行えます。水晶体は糸のようなもので眼の中で固定されていますが、その糸の付着部に筋肉があり、近くを見ると、その筋肉に力がはいって、水晶体を変形させて、近くにピントを合わせるのです。しかし、40年から50年の加齢変化によって、水晶体はだんだん弾力を失い、硬くなってきます。そのため、筋肉が働いても水晶体が変形できなくなり、ピントのあう距離を自由に変更できなくなります。これが「老眼」(老視)です。

また、水晶体は元々透明性の高い組織ですが、加齢により硬くなるのと同時に、だんだん濁ってきます。これが白内障です。はじめは黄ばんでくるだけで、視力も落ちません。それも極めてゆっくりとした変化なので、たいていはその変化に気づきません。さらに部分的にすりガラスのような混濁が混じってくると、それによって光が散乱される効果が生じ、普段はよく見えていても、とても明るい所では非常に「まぶしく」、「見ずらく」感じられることがあります。これも初期の白内障の症状です。さらに濁りが強くなると、だんだん視力が低下してきます。

白内障に関しては、混濁した水晶体を人工のレンズ(眼内レンズ)で取り替えることが可能になりました。特に、最近の超音波を使った手術技術の進歩により、小さな傷から、短時間で、安全に手術が行えるようになりました。また、とても痛い麻酔の注射もしなくても手術ができるようになりました。

 ところで、手術を受けるべき時期はいつか、というご質問をよく受けます。それに関しては、ご自身の生活の中での不自由の程度を基準として、手術の利点と危険をよく理解した上で決められるべきものとお答えしております。

 残念ながら、老眼に関しては、まだ決め手となる治療法が開発されるに至ってはおりません。オートフォーカスのきく眼内レンズの実用化は、白内障と老眼を同時に解決する手段となるため、高齢化時代を迎えるにあたって、最も期待されている研究課題の1つです。

さらに研究が進められています。

このページのTOPへ