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第30回 平成25年9月24日 → 一般来場者数119名

第30回 市民公開講座 講演概要

  前立腺癌 −斉藤先生− ロボットを用いた手術を開始

 

  今年10月、当院に手術用ロボット、ダ・ヴィンチが導入され、それを用いた手術が開始されました。ダ・ヴィンチは世界中に普及している手術用ロボットで、アメリカを中心に世界で2000台以上が使用されています。アメリカでは10年以上前から使われていましたが、日本では医療費に比べて機械が高額なため、普及が遅れていました。昨年4月に前立腺がんに対する前立腺全摘手術に健康保険が適応され、その後急激に普及してきており、現在全国で130台以上が稼働しています。当院でも数年前から導入を考えていましたが、ようやく今回実現に至りました。 ダ・ヴィンチを用いた手術は腹腔鏡手術の一種であり、ロボットの目と手を体内に入れてその目を通して映し出される画像を見ながら、人がロボットの目と手を操作して手術を行うものです。ロボットが勝手に手術をするものではなく、あくまで人(医師)が手術を行うのです。現在、多くの分野で腹腔鏡を用いた手術が行われていますが、従来の腹腔鏡手術では体内で使う器具は全て人が手で持っているため、体内での器具の可動範囲は人の手の可動範囲以上にはなりません。また、見ているモニターは通常2Dであり、立体視はできません。ところがダ・ヴィンチを用いると、その手は小さく、体内の狭い所にも入ることができ、しかも手首が540度回転するため人の手をはるかに凌ぐ動きができます。そして、ダ・ヴィンチの目は3Dカメラになっているため、ロボットを操作する人は手術する部位を立体的にしかも大きく拡大してみることができます。ダ・ヴィンチには手が4本あり、1本はロボットの目に相当する3Dカメラで、他の3本の手が手術をする器具になっています。患者の体4カ所にあけた小さな穴(ポート)からカメラと腕3本を挿入し、術者は少し離れた場所にあるコンソールで体内の様子を立体的に見ながらカメラの位置を調整し、3本の手を動かしながら手術を行います。ダ・ヴィンチの腕は操作する人の手の動きに合わせて動きますが、手ぶれ防止機能が付いているので、非常に細かい操作を綿密に行うことができます。 今回、ダ・ヴィンチが導入されましたが、当院ではまず健康保険が適応される前立腺がんの手術から使用し始めています。前立腺はお腹の一番奥の狭い所にあり、多くの血管や神経で囲まれていて、その手術には細かい操作が要求されます。そのため、前立腺を摘出する手術はダ・ヴィンチの特性が最も発揮されやすい手術になり、アメリカでは前立腺全摘手術の90%以上にダ・ヴィンチが用いられています。また、海外では消化器、心臓、肺、子宮、腎臓などの手術にもダ・ヴィンチが積極的に用いられています。日本でも一部の施設でこれらの領域にも使用されていますが、通常の健康保険が適応されないため、個人の負担が大きくなり国内ではまだあまり普及していません。今後これらの領域でも健康保険が適応されることが期待されますが、それまでの間は高度先進医療として手術が実施されることになるでしょう。当院でも消化器外科、肺外科、心臓外科、婦人科においてもダ・ヴィンチを用いての手術を開始する準備を行っています。近い将来、これらの科においてもダ・ヴィンチを用いて手術が開始されるでしょう。

 

  .灰鵐宗璽襯椒奪スでロボットを操作する術者     ◆兵蟒冤僖蹈椒奪函縫瀬凜ンチでの手術風景

 

 

  手術用ロボットダヴィンチ

                

                                  泌尿器科 医長 斉藤史郎

 

 

 

 

 

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