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第29回 平成25年6月6日 → 一般来場者数115名

第29回 市民公開講座 講演概要

 うつ病 ―樋山先生ー 忍び寄るうつから逃れるにはより

 

 *趣味をしても良いことがあっても気が晴れず、全て否定的に考えてしまうことが2週間以上続くようなら、単なる‘落ち込み’というよりうつ病になっている可能性があります。うつ病の多くはストレスによって脳内の神経伝達物質が減少するために起きる、いわば‘脳のガス欠状態’であり、決して怠けや心が弱いためではありません。むしろ仕事熱心で真面目、良心的、几帳面、頼まれると嫌と言えない人が陥りやすい病気です。こういった性格の方に、種々の心身のストレスが加わるとうつ病が発症しやすいと考えられています。しかしストレスが強ければ誰にでも起きうる、ありふれた病気とも言えます。うつ病には不眠、体重減少、倦怠感、身体あちこちの痛みなど種々の身体症状を伴うことが多いので見逃されやすく、最悪の場合は否定的な思い込みから自殺に至る怖い病気です。日本の自殺者は平成10年から14年連続3万人台と、世界的にも高い水準を維持していますが、昨年ようやく3万人を切りました。*うつ病は休息、薬物療法、認知行動療法を含む精神療法、環境調整、電気痙攣療法(mECT)などで治りうる病気です。抗うつ薬はSSRI,SNRIなど新しい有効な薬がたくさん出てきています。認知行動療法(CBT)はうつ病による否定的・非現実的な認知の歪みを修正するのに、周囲の適切な対応とともに有用です。身体症状があっても身体的原因が見つからない時には早めに専門医の門を叩くことをお勧めします。*日々仕事一辺倒で緩みのない方は、その限界を見極め、周囲とのコミュニケーション、趣味や運動など適当な息抜きをするしなやかさを身につけるよう心掛けてください。

 

                              東京医療センター精神科医長  樋山光教

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