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テスト

放射線科について

 
 放射線治療とは            当院の治療方針と実績

 放射線治療スタッフ                    放射線治療の手順
 
 

治療装置について

 
 ・外部放射線治療(リニアック)     小線源治療(192Ir-RALS、125I-Seed)

 

 

放射線治療とは

 放射線治療は、からだの外や内側から放射線を病巣に集中的に照射する治療です。主な対象はがんです。がん細胞は多くの放射線を受けると生き続けることができなくなり、時間をかけてだんだん消滅していきます。十分な量の放射線が照射されると、がん病巣が消え、病気が治り、患者さんは健康に回復します。丁寧な治療計画と最新技術を用いれば、今や必要な範囲以外に放射線はほとんどあたりません。治療は数分間寝ているだけの通院で済み、手術や薬物治療に比べ安楽・安価です。患者さんの中には仕事と両立しながら数週間の治療に通われている方もいます。早期がんは放射線だけで治療が済み、進行度や体力により薬や手術を組み合わせます。切除不能がんや転移のある患者さんも長生きするチャンスが増え、高品質な照射はがんに対する免疫力をむしろ高めてくれます。放射線治療の利点の一つは臓器や機能の温存です。生活の質を維持し、麻酔は必要なく、高齢者や体力のない方にも適しています。がんによる痛みや出血、転移による苦痛も和らげ、薬を減らせる場合も有ります。放射線自体は目に見えず、体にあたっても何も感じないため、怖がる方も少なくありませんが、放射線を上手に利用して病気を治し、心身を癒す治療が放射線治療なのです。なお、がん治療としては多くの利点がありますが、小児や若い方に対する被曝については慎重な対応も必要となります。

 

当院の治療方針

 がんの状態に加え、あなたの体力や人生観に応じて個別に適切な治療法を検討します。放射線治療を最大限活用すると同時に一人一人の想いに寄り添うように努めています。当院の治療指針は基本的に欧米学会の水準に合わせた上で、国内の指針も尊重します。薬物療法や手術との比較や併用を含め、他科や他院との連携も大切にしています。当院は小線源治療の経験が世界有数ですが、近年は高精度なピンポイント照射にも力を入れ、すべてのがんに対して根治から緩和まで幅広く、患者さん毎に最適と思われる治療を提供します。

 

当院の実績

 1990年代は年間新患数が200名程度、最近は年間700名以上、治療件数は800件以上です。この20年間で1万5千名のがん患者さんを治療しており、前立腺4500名、乳腺3500名、頭頸部、消化器、呼吸器各1200名、婦人科600名などは特に経験が豊富です。小線源治療では泌尿器、婦人科、食道などに5000件ほどの実績があります。

 

放射線治療スタッフ

 放射線治療センターには、医長を含む放射線治療専門医、放射線治療専門技師を含む診療放射線技師、がん放射線療法認定看護師を含む数名の看護スタッフ、医学物理士および物理スタッフ、受付事務と多職種で構成されたチームで成り立っています。

 

放射線治療の手順 

1.受付

 放射線治療は受付スタッフの挨拶から始まります。診察日時の予約を相談するとともに、あなたの日常生活や就業状態、通院方法などについては問診票を用いながら、病気をどのように受け止めているかは看護スタッフが個別に確認します。

2.診察

 放射線治療医が診察し、検査結果と総合して検討した治療方法(身体のどの部位に、どのくらいの放射線を照射するか、副作用はどうか)をお話しします。がんの性格やあなたの心身の状態も考慮します。照射は数週間にわたり平日毎日行うことが一般的ですが、1回から数回で終わることもあります。病気や治療に関して気軽に質問ができるように専門看護師が同席ないし個室対応し、相談を受けています。経済的な問題にはがん相談室のスタッフが対応します。

3.治療計画

 実際に放射線を照射する前に、最適な体位、範囲や方向を決めるための計画を行います。からだの固定具を作成し、仰向けに寝た状態でCTやMRIを撮影します。人違いをしないように写真を撮らせていただきます。治療部位の皮膚には消えにくいペンでしるしを付けます。部位によっては呼吸を調整してもらう場合もあります。計画CTの撮影後にお帰りいただき、その後数日から2週間の時間をかけて、スタッフが綿密な治療計画を作成し、複数人で確認し、技師が照射の準備を入念に行います。計画の結果をもとに最適な方法を放射線治療医が最終決定します。治療の半ばで計画を見直すこともあります。

4.毎回の治療

 計画のときと同じ状態で治療台に寝ていただき、位置を正確に合わせてから数分間の照射を技師が実施します。痛みも何も感じません。乳房の場合には体表面を赤外線で把握し、正確に再現します。部位によっては息止めなどの呼吸調整を行います。治療期間中は毎回、看護師らが挨拶しながら体調を確認し、毎週ないし体調に合わせて医師による診察があり、副作用や病状について相談することができます。

5.経過観察

 放射線治療が終了したら、数か月ごとに放射線治療医の診察を数年間行います。病状や再発転移、後遺症、他疾患の合併についての確認が主目的です。依頼元の医師や病院の受診のみをお願いすることもあります。何年も受診していない場合でも、後遺症や再発を疑うような症状が出た場合には受付にお問い合わせください>照射技術の進歩のおかげで重篤な後遺症は近年ほとんど見られなくなりましたが、困るような場合は是非ご連絡ください。

 

装置の種類

外部放射線治療装置(リニアック) 

 当院には、2台の外部放射線治療装置(Clinac iX、TrueBeam)が稼働し、患者の病態に応じた装置を選択して治療を行っています。両装置に共通した機能には、病巣周囲の正常組織への影響を最小限にしながら病巣形状に適した照射を行うVMAT(回転型強度変調放射線治療)が可能であること、治療前に寝台に寝た状態で樟・CT画像を取得し、照射位置ずれを最小限に補正して照射を行うIGRT(画像誘導放射線治療)システムを搭載していることです。また両装置にオプション搭載しているIGRTシステムにはExacTracがあります。ExacTracは、赤外線カメラによるナビゲーションシステムと治療室内に設置されたX線撮像システムにより構成され、ミリ未満の精度で正確に素早く照射位置を補正することができます。2019年度に導入されたTrueBeamには、呼吸の動きを監視し治療に最適な呼吸タイミングで照射できる機能に加え、単位時間当たりの照射線量が従来の約3倍となり非常に短時間でピンポイント照射を行う機能があります。合わせて導入した光学的患者ポジショングシステム(AlignRT)は、高解像度カメラを使用して被ばくも侵襲もなく患者皮膚表面を追尾し、正確な位置合わせ(体表面誘導放射線治療:SGRT)ができます。照射中もリアルタイムに動きを監視し、許容誤差を超えた動きを検知した場合には自動的に照射が一時停止されます。当院では、特に乳腺の放射線治療への応用を積極的に始めています。

 

   

<リニアック(1)室:Clinac iX>                  <リニアック(2)室:TrueBeam> 

 

  

<高精度IGRTシステム:ExacTrac>             <光学的患者ポジショニングシステム:AlignRT> 

 

 治療計画装置

 治療計画CT装置(SOMATOM Definition AS64 Open)は、呼吸の動きを加味した4DCT撮影、低線量撮影が可能です。CTガントリーの開口径が大きく、様々な治療体位に柔軟に対応できます。放射線治療に必要な照射条件(照射範囲、照射角度や照射線量など)を治療計画装置にて計算します。当院では、外部放射線治療用の治療計画装置Eclipseを7台、小線源治療用の治療計画装置Oncentra、Variseedを各1台ずつ有しており、患者の病態に応じた体内での線量分布を計算、評価できる体制となっています。また治療計画支援装置MIM Maestroを使用することで、様々な臨床画像をより適切に治療計画画像に反映させることができます。これは病巣及び正常組織の正確な範囲をより正確に把握することを可能とし、再治療や腫瘍の縮小に伴う治療計画の変更の大きな手助けとなります。

 

          

                    <治療計画用 CT装置:SOMATOM Definition AS64 Open>

 

              

   <外部放射線治療用の理療計画装置:Eclipse>      <治療計画支援装置:MIM Maeareo>

 

小線源治療

 小線源治療とは、鉛筆の芯のような線源を体内に挿入し、病巣に放射線を集中的に照射する技術です。当院では、イリジウム192線源を用いた高線量率密封小線源治療装置、ヨウ素125シード線源永久挿入による前立腺癌小線源療法を行っています。

 

イリジウム192線源を用いた高線量率密封小線源治療装置(RALS)

 治療装置(マイクロセレクトロンHDR V2)は、遠隔で操作するという意味のリモートアフターローディングシステム(RALS)装置とも呼ばれます。約1mmサイズの192Ir(イリジウム)線源を隣室から遠隔操作で目的部位に挿入し、人体の内部から放射線を照射する装置です。線源を導くためのアプリケータが挿入あるいは停留可能な部位であるなら、どこでも治療可能ですおもに子宮腔内の病巣に対して行っています。近年では、治療計画画像にCT・MRI画像を用いることで、病巣や周囲の正常組織を考慮した3次元治療計画を立てられるIGBT(画像誘導小線源治療)を行っています。

 
   

<高線量率密封小線源治療装置:マイクロセレクトロンHDR V2>

<小線源治療用治療計画装置:Oncentra>

ヨウ素125シード線源永久挿入による前立腺癌小線源療法

 2003年に国内初のヨウ素125シード線源永久挿入による小線源療法を当院で実施し、その後16年間で3700例を越す症例を経験致しました。重篤な合併症も見られておらず、この治療の高い有効性と安全性が確認されております。近年では前立腺に近接する直腸への副作用を防ぐために、前立腺と直腸の間を拡げるゲル状の物質(SpaceOAR)を注入することができるようになり、当院でも積極的に使用しています。治療には麻酔に要する時間も含めて2時間程度かかります。

 

詳細は、診療部泌尿器科ホームページ内および同ページ小線源治療案内をご参照下さい。

 

                 

<小線源(ヨウ素 125I)挿入後 X線画像>             <小線源治療用治療計画装置 VariSeed>

 

  MR-CTを用いた術後評価:赤線が前立腺、緑の帯は尿道、下方の青は直腸で白い塊が前立腺と直腸の間に注入したスペーサーゲル。黄緑の芯は線源で、前立腺を覆う黄緑線で囲まれた範囲が放射線の照射線量、白線はその1.5倍の線量であり、前立腺内部には非常に高い線量が照射されていることが分かります。

 

各がんの具体的な治療方法

前立腺癌

 前立腺内に放射線源を埋め込む小線源治療や、外照射で補強した小線源治療は局所効果の非常に優れた治療であり、当院の実績は世界でも有数です。最近の欧米では、高精度な外照射を1か月で行う強度変調放射線療法が普及し、さらに5回で終了する定位照射が手術や小線源を上回る勢いです。機器や技術の進歩により、強力な照射でも重篤な副作用を抑えられます。ロボット手術の再発には外照射が第一選択です。ホルモン治療の併用も含めた多くの選択肢からあなたに適した治療法を相談します。自分の病状を知り、生き方をよく考え、あなたにとって一番良いと思う治療を選択するお手伝いをします。

 

他の泌尿器癌

 膀胱癌は膀胱全摘以外に薬物+放射線療法の選択肢があります。QOLをよく考えて、自分の人生観に合った治療を選択しましょう。小さな腎癌には定位照射が有効です。

乳癌

  温存乳房や全摘術後の放射線治療は世界標準です。温存術後には3週間の短期照射が欧米では普及し、当院でも積極的に勧めています。再発リスクに応じて病巣部やリンパ節への追加照射を検討します。左側の乳房照射の場合、心臓への影響を避けるために息止め照射を行うのが世界標準です。乳腺外科との連携は特に重要です。 

頭頸部癌

  特に切らずに治したい、のどや鼻・耳、顔面の癌には7週間の強度変調放射線治療が世界標準です。進行癌には化学療法を併用します。口腔、唾液腺や希少癌を含め、当院は半世紀にわたる豊富な治療経験を持っています。専門性が高い分野であり、耳鼻科や口腔外科と必ず連携します。

肺癌

  早期癌にはピンポイント照射が大変有効で、世界の標準治療です。進行癌には薬物療法と強度変調放射線治療を用います。治癒例や長期生存が世界中で増えています。骨や脳、リンパ節の転移に対する放射線治療も大きく進歩しています。免疫薬物療法との相性も良いことが分かってきました。

消化器癌

  食道、胃、直腸、肝胆膵、肛門のいずれにも放射線を含めた統合治療は世界標準です。昔から当院は食道癌を切らずに治すことで有名であり、再発に対する小線源治療やピンポイント照射もあります。肛門癌も切らずに治すのが一般的です。最近は、膵臓や肝臓にもピンポイント照射が可能となり、切らない治療として注目を集めています。直腸癌の術前照射は世界標準です。大腸癌からの転移巣に対するピンポイント照射も増えています。 

婦人科癌

  子宮頸癌には強度変調放射線治療と小線源治療の併用が世界標準です。当院は早くから欧米基準の治療を行い、小線源治療の処置中の苦痛を減らす方法を一早く取り入れています。体癌にもこの照射法が有効であり、体力的に手術のできない方にはお勧めしています。欧米では体癌の術後照射が一般的です。婦人科との連携が重要です。

リンパ腫

  放射線治療だけで治ることもありますが、化学療法後の照射ないし再発後の照射が近年増えています。すべての臓器にわたる病気であり、治療効果が高く、多くは強度変調放射線治療の良い適応です。

脳腫瘍

  いろいろな脳腫瘍があり、切除後の放射線治療は標準治療です。切除不能な場合や再発後の再照射も一般的です。

軟部肉腫

  四肢の温存のために術後照射が一般的であり、強度変調放射線治療の良い適応です。腹腔の大きな肉腫にも適応があります。再発や転移に対してピンポイント照射が利用されています。整形外科との連携がポイントです。

皮膚癌

  世界で最も多いがんです。日本では普及していませんが、放射線治療は世界標準です。切らずに治すことができ、形態を維持できる利点があり、効果は良好です。

骨転移

  がんの骨転移による疼痛に対しては1回の照射でも除痛効果が期待できます。長期制御や骨再生のために数回照射を行うこともあります。骨転移が1、2か所だけであればピンポイント照射が保険治療の適応となりました。 

緩和照射

  がんによる疼痛、出血、狭窄閉塞、神経症状、視覚異常、むくみ、圧迫症状は良い適応であり、背部痛から手足の麻痺に進みそうな場合は緊急対応します。緩和の場合には外来通院の1回照射で済むことも多く、早目に担当医から相談していただくと効果も早くでます。

脳転移

  がんの脳転移に対してはピンポイント照射や強度変調放射線治療の良い適応です。術後でも再発予防のために術後巣へのピンポイント照射が標準となりました。

少数転移

  お元気な方であれば、少数の転移巣に対してピンポイント照射の適応が保険で認められています。抗がん剤治療を遅らせるほか、免疫薬物療法の効果を高めるために有効な方法です。

再照射(2度目の照射)

  条件は限られますが、一度照射した部位に再度放射線治療を行うこともあります。小線源治療やピンポイント照射の適応になります。 

良性疾患

  ケロイドや血管腫などにも放射線治療は有効です。最近は難治性不整脈や特殊な神経痛に対しても研究が進んでいます。

 

照射技術と用語解説

 EBRT(外部照射)

 放射線治療の主力機器です。当院では2台の高精度なリニアックを用います。全身を含め、どの臓器にもどんながんにも体外から照射が可能です。

VMAT(回転型強度変調放射線治療)

 必要なところにだけ十分な放射線を照射できる高度な技術であるIMRT(強度変調放射線治療)の進化型です。機器を回転させながら複雑な形状に合わせて高速に照射する技術です。

IGRT(画像誘導放射線治療)

 照射する部位を計画時と同じ位置に正確に合わせる技術です。外部照射装置に付属したX線やCTを用いて高精度に位置を再現します。いわゆるピンポイント照射に必須な技術です。

SGRT(体表面誘導放射線治療)

 乳腺などの体表面を広く赤外線で追跡し、位置をより正確に設定する技術。

Field in Field

 乳房に均一に照射するための一種の強度変調放射線治療です。

4DCT

 呼吸変動を周期的にとらえて、臓器や腫瘍の呼吸性変動を視覚化する画像技術。

DIBH(深吸気息止め法)

 息を吸って止めた状態で照射する方法。

SRT(定位照射、いわゆるピンポイント照射)

 小さな標的に放射線を大量に集中して照射する方法。

 スペーサーゲル

 前立腺と直腸の間にゼリー状のゲルを挿入し、直腸に放射線があたらないようにします。ゲルは3か月で体内に吸収されて消滅します。

Brachytherapy(小線源治療)

 鉛筆の芯のような線源を体内に挿入し、病巣に放射線を集中的に照射する技術。前立腺に針を用いて永久挿入するヨウ素125線源と、遠隔操作機器を用いて10分ほど臓器や組織に挿入するイリジウム192線源があります。超音波やCT、MRを用いて病巣を確認しながら線源の挿入や治療計画を行います。当院では手技中に痛みのないように麻酔をかけて行います。最近は、子宮や膣の内腔に線源を挿入すると同時に、針を組織に刺入する併用術もあります。

 

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